私のクリスマス


私が小さかった頃のクリスマスに、父がプレゼントしてくれたカードのことを時々思い出します。


うす水色のとてもきれいなカードで、開けると立体の階段が現れて、そこに可愛い天使たちが立ち並んでキャロルを歌っているのでした。


やさしい色で、大好きな天使たちが歌っていて、子供だった私は、なんてきれいなんだろう…と眺めていたのですが、あれが私の人生に与えられた本当の贈り物を表していたとは、その時はまだ贈った方ももらった方も知る由もありませんでした。


のちに、私が18の時に父と母が若い女性歌手による小さなアンサンブルを立ち上げ、その時から私はそこで歌ってきました。


今ではクリスマスごとに大切な仲間たちと声を合わせて、父の指揮で、プロフェッショナル女声アンサンブル「ルーチェ」としてコンサートを開催しています。


私たちは、舞台の上で、ひな壇に立って美しいキャロルを歌います。


そう、ある時気づいたのです、まさにあのクリスマスカードの中の天使たちと同じだと!


あのカードは実に私のその後の人生を象徴するものだったのですね。


父が私の人生に贈ってくれた本物のクリスマスプレゼント、私の大切な宝物、女声アンサンブル・ルーチェ


いつか私が年老いて、人生の次のステージへと進むころ、これまでの私の全てのクリスマスが歌で占められていたことを、懐かしさとともに思い出すにちがいありません。


その時には、私たちが今歌っている全てのクリスマスソングは、思い出という名の宝物に変わるでしょう。


そして私にはその宝物を共に分かち合える仲間がいるのです!


父がくれた空色のカードのような、音楽でいっぱいのクリスマス、なんてなんて幸せなんでしょう。


地には善意の人に平和あれ。

人生は素晴らしい贈り物で満ちています。